私はこれまで看護師として色々なバイトをしてきましたし、現勤務先では看護師さんを雇う側の仕事にも多く携わってきたため、どうしたらよいバイト・派遣先を見つけられるか良く理解しているつもりです。せっかく大変な思いをして国家資格を取ったのですから、うまく活用してご自身の生活を充実させてほしいなと思っています。この記事ではこれまでの私の経験をもとに、好条件バイトの上手なみつけ方をお伝えしたいと思います。
この記事を読んでわかること
- 看護師資格はとっても役に立つ資格だということ
- 人気の単発バイトについての詳細と仕事の獲得方法
- 人間関係構築=信頼関係が大切な理由
看護師の派遣・単発バイトとは
看護師バイトの種類
看護師の資格を活かしたバイトには様々な種類があります。
看護師バイトの種類
- 巡回健診 ⇒ 半日:11000円~14000円 全日:14000円~20000円
- クリニック・診療所 ⇒ 時給:1700~2200円
- 病棟夜勤 ⇒ 3万~4.5万円
- 老人ホーム
- デイサービス
- 訪問入浴 ⇒ 時給:1800~2200円
- 訪問看護 ⇒ 時給:1800v~2500円
- 予防接種 ⇒ 時給:1800~2200円
- ツアーナース ⇒ 1泊:3万~、2泊:5万~
- イベントナース ⇒ 日給:1万円~
ざっと上げてもこれだけの種類があります。給料については都市部をメインとした金額ですが、働く地域、病院によって値段は本当にピンキリです。
とはいっても事務職やカフェなどでアルバイトをするより、看護師という国家資格を活かして働いた方が稼げるのは間違いありません。
一番効率良く稼げるのは夜勤バイトですが、病院によってはすごく忙しかったり、ステルベンに当たったり。。と大変なことも多いです。
訪問系は移動が負担にならないかと、知らない人のおうちに上がることに抵抗がない方、また訪問入浴については体力に自信がある方は求人数も多く、時給も比較的高いためおすすめです。
人気なのは巡回健診やクリニックです。採血や心電図がスピーディーに出来れば重宝されます。巡回健診のスタッフ募集は時期によって求人数に変動があるため、他のバイトと組み合わせてうまくスケジューリングしている人が多そうです。
単発バイト・派遣・スポットナースのメリットデメリット
仕事の種類によっても変わってきますが、”こんなはずじゃなかった。。”とならないように、しっかりとメリットデメリットを理解した上で働きましょう。
メリット
- 自分の好きな時だけ働ける
- 高時給
- 人間関係にそれほど悩まなくて済む
- 残業が少ない
- 興味がある分野のお試しが出来る
- 経験を積むことが出来る
- 転職活動中の人は就職先が見つかることもある
デメリット
- 福利厚生やボーナスがない
- スケジュール管理が大変
- 季節等で求人件数に変動がある
- 常勤先がある人は年間20万をこえると確定申告が必要
どんなに人におすすめか?
上記のメリット・デメリットを踏まえた上で、単発バイトがお勧めな人達をまとめました。
副業としてもっとお金を稼ぎたい人
今は大きな病院でもボーナスカット(こんない大変なのに!)されたり、昇給がなかったりと看護師をしていても何かと不安定なご時世です。そんな中社会的にも副業の意識が高まってきていますよね。
看護師資格を活かした仕事は単価も高いし、手軽に始められる単発バイトは「何かはじめてみたい」という人におすすめです。
現在の職場とは違った働き方をしたい人
病棟以外で働いてみたい、とか、施設看護に興味がある!といった場合、いきなり転職活動をする前に単発バイトで興味のある働き方を試してみるのも下調べとしては重要です。実際に働いてみることで見えてなかった部分が見えるでしょうから、転職活動にも役立ちます。
実際に私の友人は単発バイトからその職種に興味を持ち転職したことで、自分に合った働き方を見つけました。
転職活動中でつなぎとして収入が欲しい人
私はこんなに色々な求人があるということを知らずに、大学病院を辞めた後、立派にニート生活をして貯金を食いつぶしていたけど、転職活動の妨げにならない程度にバイトが出来れば、それは転職活動のサポートになります。
一つは上記のようにお試しで働くことで自分に合った職場をみつけることが出来るということ。
もう一つはある程度の収入があることで転職活動を焦らなくて済むということです。焦って納得いっていないところで働くより、しっかりと吟味した上で決めたいですよね。そうはいっても生活費はかかるもの。。バイトで少しでも収入があると精神的にも余裕が持て、落ち着いて就活に望むことができますよね。
子育て中など、正社員として働くほど時間的な余裕はないものの、自分の予定が空けば働きたいという人
子育て中で常勤やパートは難しいけど、旦那が休みの日や祖母が子供の面倒を見てくれているときだけ、など周りの目を気にせず自分や家族の予定を優先して仕事をする日を選びたいという人にはお勧めです。病院などで、子供の行事とはいえシフトを変わってもらったり、休みを取るということに毎回気を使って悩んでいる方もいると思います。常勤をやめるのは抵抗があるかもしれませんが、精神的に辛いのであれば単発バイトをうまく利用して自由にスケジューリングした方が楽だという方にも実際に多くいらっしゃいます。希望の求人によっては募集が少ない時期があったり、自分でスケジュール管理をしなくてはならない大変さはあるけど、ストレスフリーなのは魅力です。
人気の単発バイト・派遣
巡回健診のバイトってどんな感じ?
仕事内容
学校や企業などに出向いて実施するタイプの健康診断のスタッフとして、採血や心電図、血圧などの1ブースを担当します。
健診場所によってこなす人数は様々で、募集が血圧担当でも問診票のチェックなどもあります。
確実な技術はもちろんだけど、スピードが求められる現場も多いです。
給料
半日か1日の日給制が多い印象 半日13000前後 全日15000~20000
メリット
- 半日の場合はあまりありませんが、全日の場合は早く帰れることも
- 同じ作業の繰り返しなのでそのポジションの技術さえ持っていれば何なくこなせる
- 同じ職場に飽きてしまう人には色々な現場を回れるので気分転換になる
- 時給が高い
デメリット
- 集合時間が早め
- 駅から近い場所はあまりない
- 1日で終了する現場はその日のうちに設営・撤収作業がある
実際に働いたから分かるポイント
採血にあまり自信がない場合は採血二人体制の日や無理せずに血圧や心電図を選ぶとよいでしょう。
ただし採血は金額が上がることが多いためお勧めです。基本的に健康な人が多いため、病院の入院患者よりは難易度は低いと思います。
巡回健診は設営・撤収作業があるため、1日仕事の場合はあまり関係ありませんが、数日かけて行う場合は初日は設営・最終日は撤収作業があることがあるため、そこを避けた方が現場はバタバタしていない印象があります。撤収作業も慣れていないと何をしたらよいかわからず右往左往することもあるかもしれません。
ゆっくりと患者さんと関わる時間はありませんが、効率良く稼ぎたい人、採血の技術を磨きたい人にはお勧めできる仕事です。
クリニックでのバイトってどんな感じ?
仕事内容
もちろんバイト先のクリニックによって違いはありますが、まずは基本的な処置のなどを任されることが多いです。
巡回健診と同じように採血や心電図、巡回健診と違うのは注射やライン確保、バイタルチェックなどの業務も発生するところでしょうか。
私が行ったところでは外科であれば簡単な処置についたり、バルーンカテーテルの入れ替え介助などをお願いされたこともあります。
給料
時給制:1800~2200円/時
メリット
- 巡回健診と比べると患者さんともう少しゆっくりと関われる
- 病棟しか経験がない人はクリニック・診療所の雰囲気を知ることが出来る
- 複数回行くつもりであれば、場所は変わらないため通いやすい
- 大体常勤の看護師さんがいるため、なにかあれば助けを求めることが出来る
デメリット
- 看護業務以外の仕事をせざるをえないこともある(掃除などの雑務)
- 一般的な処置が多いため、物足りなさを感じることもある
転職を考えている人にもお勧め
定期的にバイトの募集をしている場合は正社員、もしくはパートを募集している場合もあります。
転職活動中の方で気になっているクリニック・診療所がバイトを募集しているようであれば、何度か働いてみて自分に合っているなと思ったら応募してみるというのも効率的で良いと思います。働きぶりを気に入られれば、クリニックの方からお声がかかる場合もあります。
実際に私のクリニックでもバイトから正社員になった人が何人かいますし、周りでもそんな話を聞いたことがあります。
少し時間と手間はかかりますが、自分に合った職場探しとしては良い方法だと思います。
人気のバイトをゲットする方法
知人に紹介してもらう
派遣会社に登録するしか方法がないと思っていた人はいませんか?
何よりも好条件のバイトをゲットできる一番いい方法は”知り合いに紹介してもらうこと”です。
働く側のメリット
- 信頼している人からの紹介であれば変な仕事先を紹介されることはない
- 事前にどういった仕事内容なのか確認できる
- 紹介料がかからないため給料を高く設定してもらえる
- ○○さんからの紹介で~ということで現場になじみやすい
雇う側のメリット
- 知り合いの紹介であれば人柄・技術面は信頼できる(ことが多い)
- 紹介会社に紹介料を払わなくて済む
このように雇う側にもメリットがあるため、知人からの紹介は好条件のバイトをゲットしやすいのです。
私自身も知人の紹介で日給20000円(8時間労働)+交通費+昼食代のバイトをさせてもらったこともありますし、逆に学生時代の友人にこのような好条件のバイトや、人気のイベントナースを紹介したこともあり(もちろん紹介料などはもらっていません)、大変喜ばれ今でも「あの時は生活費稼がせてくれてありがとう!」と感謝されます。
知人からの紹介で好条件のバイトしたいと思うのであれば、何より大切なことは紹介者との信頼関係です。
私も知らない人を誰でも良いから紹介しているわけではなく、大学時代からの友人でどんな人柄か知っていて、しっかりと教育されており紹介してもその紹介先を困らせない人物しか紹介しようとは思いませんでした。また、友人側も私のことを信用してくれていたのだと思います。
ただし知人からの紹介もデメリットがあるため、その点は確認しておきましょう。
デメリット
- 勤務条件があいまいなことがある
- 知り合いの紹介だと断りにくい
- 自分のスケジュールに合った仕事が見つけにくい
トラブルを避けるためにも勤務条件・雇用条件等はメール等文書で送ってもらうようにして、知り合いだからと遠慮せずに自分の希望はしっかりと伝えるようにしましょう。
派遣会社を活用する
派遣会社に複数登録する
周りにはあまりバイトをしている人がいない、紹介してくれそうな人がいないといった人は、まずは紹介会社に登録して実際に単発バイトをしてみましょう。
知人の紹介にこだわっても、信頼関係が築けていなかったり遠い知人ではあまり意味がありません。
また紹介してくれる人がいるという人も、派遣会社には複数登録しておいてちょこちょこ求人チェックをするのがお勧めです。
派遣会社に複数登録しておいた方が良い理由
自分の空いている日程・希望の場所などに合わせて仕事を検索しやすい
⇒多くの紹介会社では場所・日時・仕事のタイプなどで絞込が出来るようになっています。特に副業でバイトをしようと思っている人は働ける日も限られているため、派遣会社に複数登録しておくと効率よく自分のスケジュールと合った仕事を絞り込めるでしょう。
1社にしか登録されていない優良案件がある
⇒大手だけで良いとされることもありますが、良い求人はいくつもの派遣会社に登録しなくても応募があるため、どこか1社でしか取り扱っていないということもあります。その方が雇う側の管理が楽だからです。ですから大手一社しか登録していなかった場合、他の派遣会社しか利用していない優良案件を見逃してしまう可能性があるのです。そしてそんな優良案件をみつけたときいち早く応募できるよう、基本情報の登録は済ませておいた方がよいでしょう。
登録したらすべきこと
①まずは自分のやりたい仕事の検索をしてみましょう。
基本的な検索条件でブックマークor条件保存をしておくとよいでしょう。あとは日にちだけ絞り込めばいいようにしておけば各サイトを巡回する労力がぐんと下がります。
②その地域でのその仕事の時給・日給の相場を確認しておきましょう。
検索しているうちに大体の相場は分かってくると思いますが、相場を知っていればあまりにも低いところはやめておこうとか、高すぎる場合は何かあるのかな。。などの判断材料になります。
また、もし運よく友人から紹介されたとしても、それが良い仕事なのかどうか判断がつかないと損をしてしまう可能性があります。
③もし突然の休みなどで明日暇だな~というとき。翌日の仕事を検索してみましょう。
巡回健診やクリニックなど、シフト制でない場合余分な人員は確保していないことが多いです。でも特にこれからの季節、インフルエンザと分かった、子供が感染症にかかった、など欠員が出てしまうこともあります。1人いないと現場が回らなくなってしまうというところも多いので、そういった場合は緊急の募集が出されますが、雇用側も切羽詰まっているため普段より良い条件で募集を出していることがあります。
普段の相場は時給2000円程度でも、時給3000円以上なんて案件を見ることもあります。
先日も翌日バイトパトロールしていたら3.5時間で1万円!なんていう好条件のバイトもありましたよ♪
バイト先での振る舞い
「バイトでは人間関係気にしなくて良いと思っていたんだけど。。」と、思う方もいるかもしれませんが、”仲良くなる”といってもプライベートで仲良くなるわけではなく、あくまでも働き手として信頼してもらうことが目的ですのでそこまで難しいわけではありません。もちろん正確な技術や社会人としてのマナーは必要ですが、それ以外にも”現場でまた使いたい”、”一緒に働きたい”、と思ってくれるような看護師になることが大切です。
雇う側としての好印象・悪印象のナースをまとめました。
好印象
- 愛想が良い
- きちんとメモを取る
- 自前のナース服をもってきてくれる(制服が決まっている病院もあります)
- その病院のルールに柔軟に対応できる
- 報連相が出来る
- 空き時間が出来たら「何かできることはありませんか?」と自分から尋ねる
- やることがなくても掃除や片づけをする
悪印象
- 愛想がない
- メモとらない
- こだわりが強い
すごく基本的なことだと思うかもしれませんが、意外と出来ていない人いるんですよね。
患者さんとうまくかかわっている姿をみたりとか、積極的に自分から仕事をする姿勢のある人はとても好印象で、また来てほしいなと思います。
逆に「針もうないんですけど」とか「直針の採血はできません」と言われると今後はちょっとな。。と思います。
物品が足りないときは「○○がもうすぐなくなりそうなんですが、どこに在庫ありますか?」といって自ら準備する姿勢をみせましょう。
採血バイトの場合は、失敗したり取れないと判断した場合は早めに声をかけてくれる方がありがたいです。
いくら採用担当者に最後に愛想よくしても、働きぶりは他のナースから伝わりますからね。
定期的に募集のある現場では一度働いたことがあるのは有利に働きます。(もちろん印象が良ければですが。)
なぜなら雇う側も少しでも勝手がわかっている方が教える手間が省けて楽だからです。
私もオーダーを出すときに、”出来れば連続で来てくれる方がいいです”と付け加えることがあります。
またバイトナース同士でも少しお話してみましょう。普段からいろんなバイト先を回っている人は良いバイト先を紹介してくれるかもしれませんし、話だけでも聞いて情報収集をしましょう。
(仕事中に話こまないように注意⚠)
バイト選びには”自分がやりたいかどうか”や”働きやすいか”も大切だけど、基本的にはみんなお金を稼ぎたくてやっていると思います。
本業があるにしろないにしろ、忙しい生活の中で自分の時間を大切にするためには効率の良いバイトをした方が良いですよね。